VARIED 様
VARIED Webサイトデザイン / ブランディングデザイン
Design / Development / Direction
概略
兵庫県でジビエレザーを販売されているVARIED様よりご依頼いただき、ホームページ・ECサイト・ロゴを弊社にて制作させていただきました。
ジビエレザーの魅力を適切に伝えること。そして、購入障壁を取り除くWebサイトにしたいという思いで制作させていただきました。
価値定義
ジビエレザーは、害獣と呼ばれ駆除される野生の猪や鹿の皮を利活用する循環型社会に寄与する素晴らしいプロダクトですが、その特性上、生前傷などによる製品の個体差が顕著なものでもあります。
現代の規格品に慣れ親しんだ私たちは、それらの個体差を違和感と捉えてしまいがちです。
しかし、レザー製品は使い込むほどに色味が変化し体に馴染むこと=自分色に染められること(個体差)に価値を感じられる製品でもあります。
であれば、新品の状態での個体差も価値と感じていただけたらそれは素晴らしいことだなと考えました。
現に、とあるアメリカの高級革靴メーカーは、20万円弱という高価な価格設定にも関わらず色味や質感にバラツキがあることで有名です。
靴なのに左右の色味にバラツキがあったりするにも関わらず、人々はそれを味(=らしさ)と捉え、確固たる人気を有しております。
加えて、ジビエレザーのバラツキは製造過程の人為的なものでうまれたのではなく、その猪や鹿が野生の中で生き抜いたからこそ産まれた証です。
その証を、Webサイト内では「個性」と表現いたしました。
牛革とは違った独特なシボ感(革の表面の風合い)と質感や手触り。そしてそこに残された個性。
それらを存分に感じ取れ、ながい年月をかけて余すことなく愉しめる製品がVARIED様のジビエレザーの価値だと定義いたしました。
情報設計
クライアントとなりうるレザークラフターの方々に猪や鹿、熊などの革の性質を分かりやすく伝え、制作例も掲載することで「どんなものを作ろうか」という発想を手助けするコンテンツもご用意いたしました。
また、革製品好きの方々は、ブランドだけではなくそのブランドがどこの革(企業/タンナー)を使用されているのかまで気にされる場合がございます。
VARIED様のジビエレザーは狩猟方法から加工方法に至るまで妥協の無い拘りをもって製造されているので、その拘りも併せて伝えることによって、行く行くは「VARIED様のジビエレザーを使っていることも価値」と認識され、ひいてはVARIED様のクライアント様の価値向上にも寄与できればとの思いでVARIED様の革への拘りを写真と文章でWeb上に掲載させていただきました。
Web Design
「日本美を表現することで自然美や野生味を表す」
日本の美意識というのは、自然観によるものであり、自然や野生には神秘的で神聖なものと感じる。ジビエレザーは狩猟をし、野生から生まれている点から生命という神秘的で力強い美しさを感じられます。
そこで日本語を印象強く用いたり、余白感を広めにとるなど日本美を大事にしつつ、そこに緊張感や生命力を感じる表現を加えることで自然の美しさや野生味を表現しています。
「野生味溢れる力強さこそが、ジビエレザーの美しさである」
野生味を感じる力強さこそがジビエレザーの美しさであり、単純にレザーだから綺麗目にデザインするのではなく、実際にジビエレザーを触り、狩猟現場を見させていただいたことで、野生の美しさを五感を通じて体験しました。「革」というものは古代から現代にいたるまで身につけてきた品であり、現代では気品に溢れる品ですが、古代では寒さから身を守るため、防具として、人間が知恵を振り絞って開発し続けた品です。VARIEDのジビエレザーからは、そこに通ずる何かを感じたことで「野生味」というものを一つのキーワードとさせていただきました。
緊張感や野生味を感じさせる表現として、一見統一性がないように感じられる乱立したレイアウト、文字と背景に傷跡を感じるあしらいを施しております。
野生に住む動物や、そこに生える木々が個々に自由に生きていくことで、そこに自然が形成されていきます。そんな魅力を本Webサイトで感じられたらと思い、作成させていただきました。
Development
当サイト制作にあたり、VARIED様の業務内容を取材する中で、狩猟の現場にも同行させていただきました。
薄暗く静寂に包まれた森の中、物音を立てないよう、注意深く慎重に進み、
足跡や糞、微かな物音や匂いから、動物の気配を感じ取り、その痕跡を追っていく様子を間近で体験しました。
その際に感じた、絶え間なく漂う張り詰めた空気を、ファーストビューからセカンドビューまでの演出に込めました。
また、サイト内に掲載した革の画像には視差効果を取り入れ、革の自然な高級感と美しさ、そして滑らかさを、画像と動きの両方で表現しています。お客様の制作例ページでは、ギャラリー風のUIを採用し、スライド形式で制作物を閲覧できます。はっきりと制作物の情報や革の質感を確認できるほか、スライドエフェクトやボタンのホバーエフェクトにも高級感や落ち着きを表現しています。
さらに、フルリキッドレスポンシブ対応により、多様な機種でデザインと視認性を保つよう工夫しています。
このサイトを閲覧いただいたお客様が、革の持つ自然な美しさを感じ、実際に革を手に取ってみたいと感じていただければ幸いです。
Logo Design
鹿の角というのは角の美しさや立派さがその鹿の地位を表しており、VARIED様の生み出す革が業界随一の高品質であることと、VARIED様がこの業界でトップの存在になるという向上心や成長欲を重ねて表現。
実際の鹿の写真から形をそのまま描くことで、若干いびつに見える形が、より自然的で野生的な印象を与えています。
また6本角は極めて珍しい角の形であり、基本的な角の本数は4本が多いです。そのため、角の数が多い鹿は神様として崇められたりします。
有名なもののけ姫に出てくる「シシ神様」もかなりの角の本数です。
VARIED様の美しいジビエレザーがより世の中に広がっていくことを願って、今回のロゴを作成させていただきました。
Credits
- Client
- VARIED
- Direction & Writing & Photo & Movie
- Toshiki Koyama
- Logo Design & Web Design
- Kito Nakae
- Development
- Keishun Ejima